【 第123回ネット俳句 2025年6月募集終了。】
● 応募締め切りは 6月20日(金)21時 です。
中学生、高校生の方からの応募もお待ちしております。
●投句はお一人三句です。
数回投句頂いた場合は、最後の三句をもって応募句とさせて頂きます
のでご了承ください。
なお、既発表句の応募はご遠慮下さい。
入選句は2025年7月10日までに、 「雉」ホームページで公開いたします。
少々の手直しをして公開することがありますので、ご了承ください。
俳句ご投稿は下の「雉」俳句会 ネット応募の画像をクリックして下さい。

ネット俳句 選者紹介
小林美成子(こばやしみなこ)
平成14年 雉同人
(主な受賞歴)
平成27年度・平成28年度NHK全国俳句大会大賞受賞
(代表句)
子規の忌を もつて風鈴 外しけり
全社員 十三人の 花筵
林さわ子 (はやしさわこ)
平成15年「雉」同人
(主な受賞歴)
令和元年「雉賞」
(代表句)
水暗し 泰山木の 花の下
魂送 山の匂ひの 濃くなれり
藤戸紘子(ふじと ひろこ)
平成23年「雉」同人
句集 「新樹光」
(代表句)
金髪を 束ね女身は 滝行す
太刀魚の きらりひらりと 立泳ぎ
第122回入選句並びに特選句
小林美成子 先生入選句
寝たきりの妻抱き起こす夕薄暑 森佳月 (大阪府)
昼灯す寄木工房夏立てり 吉沢美佐枝 (千葉県)
卯月空魚醤の匂ふ島の路地 吉沢美佐枝 (千葉県)
外出せる母の手提げの粽かな 垣内孝雄 (栃木県)
アシストの発進一気風光る 北川茂代 (京都府)
絡み合ひ音立て落つる蝮かな 神山みどりこ (千葉県)
横浜や領事の住みし薔薇の家 龍野ひろし (神奈川県)
母の日の花屋の前に父と子と 葉月庵郁斗 (大阪府)
燕の巣乗せて防犯カメラかな 本田英夫 (東京都)
夏めくや風の抜けくる薬医門 西田順紀 (大阪府)
走り茶の茶筒の蓋をぽんと開け 原洋一 (岡山県)
夏の雲記憶の隅に手榴弾 近江菫花 (滋賀県)
己が影おさへ蜥蜴の身を反らす 西村音羽 (愛知県)
飛び石に影を落として夏蝶来 西村音羽 (愛知県)
緑さす境内に立つさざれ石 宇田川成一 (京都府)
風鈴のちりんと闇の動きけり 宇田川成一 (京都府)
筆太の老舗の暖簾柏餅 後藤允孝 (三重県)
蜘蛛の囲のかそけき雨の銀細工 原洋一 (岡山県)
雨の日、水滴が連なる蜘蛛の囲は、まさに自然が織りなすアート。繊細な感性から
選ばれた「かそけき」「銀細工」の語が、その儚くも美しい情景を品よく際立たせて
いる。
喉彦を潤す今朝の新茶かな 近江菫花 (滋賀県)
茶どころ静岡に住む者として深く共鳴。簡素な句構えの中に新茶の香気と滋味がふ
わりと立ちのぼる。「喉彦」という語の選択も巧みで、味わいの余韻を印象づけてい
る。
夜間飛行ナイターの灯を見下ろして 西本匠 (奈良県)
機上から見下ろすナイターの灯。都市の熱狂を想像させつつ、静けさを湛えた夜の
飛行が対照的に描かれる。余韻深く、視線と心をともに誘う一句。
藤戸 紘子 先生入選句
かげろふを纏ひ電車のゆらぎ来る 中村良一 (滋賀県)
足跡とわかる凹みや植田澄む 中村治美 (滋賀県)
山藤を巡りゆくかな村のバス 堀ノ内和夫 (奈良県)
卯月空魚醤の匂ふ島の路地 吉沢美佐枝 (千葉県)
靴を手に歩く浜辺や夏来たる 立野音思 (神奈川県)
彼方此方の樹ゝ伐られけり緑の日 松井博介 (兵庫県)
麦の秋D51走る山口線 辻雅宏 (岐阜県)
着流しの颯爽とゆく五月場所 龍野ひろし (神奈川県)
初夏の路地に野菜を刻む音 太田怒忘 (滋賀県)
江戸川の鄙の渡しや茨の花 本田英夫 (東京都)
蔓薔薇の覆へる門扉西洋館 西田順紀 (大阪府)
思春期の張り合ふ二人さくらんぼ 峰乱里 (兵庫県)
喉彦を潤す今朝の新茶かな 近江菫花 (滋賀県)
大杉を乗つ取りて藤靡きけり 沢井如伽 (茨城県)
飛び石に影を落として夏蝶来 西村音羽 (愛知県)
土埃り舞って耕す畑薄暑 横山道男 (岐阜県)
筆太の老舗の暖簾柏餅 後藤允孝 (三重県)
磯遊び眺め点滴受くる部屋 藤嶋照久 (大分県)
海に近い病院での景。ベットでじっと点滴を受けている作者。窓から磯遊びする人
達を眺めて無聊を慰めているのだろう。静と動、健康と病、室内と外気の対比が効い
ている。
風に乗り指笛聞こゆ麦の秋 遠藤英二 (静岡県)
指笛の聞こえる麦畑。風にさわさわと麦の乾いた音も聞こえてきそうだ。日本の原
風景のような懐かしい一句。
寝たきりの妻抱き起こす夕薄暑 森佳月 (大阪府)
やや暑さを覚える夕方、寝たきりの妻を何の為に抱き起したのかは解らない。汗を
かいた妻の身体を拭うためか、着替えをする為か、読者が想像するしかないが、そっ
と抱き起す夫の妻を思う気持ちがしみじみと読む者に伝わってくる。
特選おめでとうございます。
選評はこれからの句作の参考になさってください。