【お知らせ】
「雉」ホームページリニューアル再開
長らくお待たせ致しました、令和6年4月1日、リニューアル作業も無事終了し、
新生「雉」ホームページを公開しました。
「見て楽しい、使って楽しい」ホームページを目指して、内容も全て一新、
スマホの小さな画面でも見やすいデザインへと工夫してみました。
これからもご支援を宜しくお願いします。

ネット俳句


【 第110回ネット俳句  2024年5月募集中  】


● 応募締め切りは 5月20日(月)21時  です。

  中学生、高校生の方からの応募もお待ちしております。

●投句はお一人三句です。
  数回投句頂いた場合は、最後の三句をもって応募句とさせて頂きますので
 ご了承ください。

  

入選句は2024年6月10日までに、 「雉」ホームページで公開いたします。
少々の手直しをして公開することがありますので、ご了承ください。

俳句ご投稿は下の「雉」俳句会 ネット応募の画像をクリックして下さい。

ネット俳句 選者紹介

小林美成子(こばやしみなこ)
平成14年 雉同人
(主な受賞歴)
平成27年度・平成28年度NHK全国俳句大会大賞受賞
(代表句)
子規の忌をもつて風鈴外しけり
全社員十三人の花筵

林さわ子 (はやしさわこ)
平成15年「雉」同人
(主な受賞歴) 
令和元年「雉賞」   
(代表句)
水暗し泰山木の花の下
魂送山の匂ひの濃くなれり  


第108回ネット俳句 入選おめでとうございます!

小林美成子選 入選句

一般の部)
待ち受けの妻の笑顔と初詣         森佳月 (大阪府)
山茶花や介護ベッドの母の息        草夕感じ (京都府)
銀山の栄えし町の神楽かな         玉井令子 (千葉県)
耳飾り外せば遠く冬の雷          遠藤恵子 (静岡県)
小春日や男結びのやや緩む         遠藤英二( 静岡県)
冬凪や女王のやうに舟進む         遠藤英二( 静岡県)
ショッピングモールのベンチ年惜しむ    山本亨  (群馬県)
眠らざる熊そのままに山眠る        林昭太郎 (千葉県)
丹前の重し旅館の長廊下          西本匠  (奈良県)
民宿の机の狭し松葉蟹           西本匠  (奈良県)
好きといふ思ひ丸めて雪つぶて       原洋一  (岡山県)
吟行や杖の音吸ふ柿落葉          佐藤浩章 (香川県)
熱き湯に仕事納めの身を沈め        小林陸人 (福井県)
点滴のボトルに映る冬の雲         佐藤茂之 (岩手県)
上着からのぞくセータ―若々し       佐藤けい (神奈川県)
山眠る折目正しき山の襞          吉沢美佐枝(千葉県)
後継ぎのなき家ばかり冬珊瑚        海老名吟 (東京都)

(高校の部)
琴を弾くやうに枯蟷螂歩く         日下部友奏(群馬県)
冬ぬくし突如FAX動く出す         日下部友奏(群馬県)
初日の出受けたる羽の温さかな 日下部友奏(群馬県)



小林美成子選 特選句

老台の嗽に勢ひ霜の朝       河原さんぽ(栃木県)  
  
洗顔時に豪快に嗽をしているご老人。
「嗽に勢ひ」に矍鑠とした老人像が想像され
「老台」という敬称と「霜の朝」の斡旋が一句を引き締めている。

灯の入りて聖樹は森の香を放つ   林昭太郎(千葉県)

深い森から伐り出された樹木を使用したクリスマスツリー。
点灯と共に電飾やオ―ナメントが華やかさを演出する中、
森の精気が聖樹に甦る。

返納の免許の手垢年の暮      近江菫花(滋賀県)
  
一抹の寂しさはあるものの、ついに返納を決断した作者。
古びた免許証をじっと見つめ、事故を起こすことも無く良かったと、
しみじみ感じながらの年の暮れである。

林さわ子選 入選句

(一般の部)
山茶花や介護ベッドの母の息        草夕感じ(京都府)
飛行機の窓枠に富士冬茜          玉井令子(千葉県)
ショッピングモールのベンチ年惜しむ    山本亨 (群馬県)
木枯らしの門扉をたたく夜更けかな     須藤範子(千葉県)
青天のつめたき水に菜を洗ふ        中村治美(滋賀県)
眠らざる熊を残して山眠る         林昭太郎(千葉県)
ふぐ刺しに透ける有田の赤絵柄       西田順紀(大阪府)
年の湯や一指一指のゆるびゆく       原洋一 (岡山県)
父逝つて母逝つて咲く梅の花        北川茂代(京都府)
山茶花の散りて残るや金の蕊        龍野ひろし(神奈川県)
焼薯や二つに割りてじやんけんぽん     佐藤浩章(香川県)
玉砂利を進む浅沓息白し          近江菫花 (滋賀県)
熱き湯に仕事納めの身を沈め        小林陸人 (福井県)
佳き夢にまたあいたくて布団干す      後藤充孝 (三重県)
極月の廃炉の上に光る星          谷本佳子 (広島県)

(高校の部)
琴を弾くやうに枯蟷螂歩く         日下部友奏(群馬県)
冬ぬくし突如FAX動く出す         日下部友奏(群馬県)


林さわ子選 特選句

入院やポインセチアに見送られ       表孝征  (広島県)
  
一人暮らしの人であろうか。
真赤なポインセチアは深刻な病状ではないことを思わせ、
作者の淡々と明るい生き方も伝わってくる。

蜜柑剝く妻目覚めれば二つ剥く       だっく  (埼玉県)
  
病気で看病しているのであろうか。
目覚めた妻の為にも蜜柑を剥く作者。
淡々とした表現の中に深く静かな愛情が感じられる。

雪景色その先にちちははがいる       しをん  (岩手県)
  
故郷は雪多き地なのであろう。
雪景色を見ると万感の思いで両親を偲ぶ作者の姿が目に浮かぶ。

特選おめでとうございます。
選評はこれからの句作の参考になさってください。