「雉荻窪句会」は当初音楽喫茶の展示室を借りて、漏れてくるクラッシックを聞きながらの句会でしたが、半年間の優先使用が可能な角川庭園の詩歌館が借りられることになり、 句会場を変更して今に至っています。
角川庭園の邸宅は、角川源義氏の俳句仲間であった加倉井秋夫氏の設計によって、昭和30年に幻戯山房として竣工しました。近代数寄屋建築の好例として国の登録有形文化財になっています。
平成17年に角川家から杉並区に寄贈され、詩歌室や茶室として貸し出されています。詩歌室の開放的な部屋からは、広い庭園の四季折々の木々の花や草花が眺められて、目を休めながら句会を楽しむことができます。
現在毎月第四日曜日の午前九時四十分から、仙台や埼玉からの投句者を含め九名での句会です。選評や疑問点など活発に意見を交換する中に、冗談が飛び出すこともあり、楽しい時間を過ごしています。句会が終わると近所の蕎麦屋「玉川亭」で昼食をとるのが恒例です。月一回多摩界隈を中心とした吟行会も行っています。
(令和6年10月28日の句会より)
秋晴に弟逝けりほゝゑみて 荒井八千代
入口に大菊据うる陶器市 岩崎利晴
秋寒や樟脳香る衣装棚 川村弘道
暮れ初むる刈田にかかり箒星 為田幸治
大甕にどさりと活くる乱れ菊 福田澄代
暮れなづむ湖国の空を雁の声 萬代桂子
山鯨食らひて訪へり一揆の碑 森 恒之
布袋尊腹に秋の日満々と 望月真理
森 恒之 記
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