「雉」は今年創刊40周年を迎えるが、東広島の句会もほぼ同じ頃に発足した。
前主宰の林徹先生の即物具象の教えを念頭に、望月皓二先生、田中忠夫先生と
句会にお出で頂きご指導賜ったが、現在は句会参加者どうしで忌憚のない意見交換を行い、楽しい中にも厳しさのある句会を行っている。
東広島市の西条は日本有数の酒の町。西条酒蔵通りは、七つの酒蔵が集積したエリア。
白壁に映える赤瓦やなまこ壁、赤レンガの煙突など風情ある眺めは格好の吟行場所である。
安芸国分寺、前方後円墳のある三ツ城古墳等名所・史跡も多い。
句会は毎月第2日曜日の午後一時から行い、雑詠5句、兼題1句を投句、
時には席題があることも。
そうして各月の秀句・佳句を四季に合わせて短冊にしたため、JR山陽本線・八本松駅構内の待ち合わせ場所に掲げている。
ある意味句会の発表場であると共に、訪れた人が俳句に親しんで頂ければ幸いである。
7月14日句会の参加者の一句。
紫陽花を一玉活けて華やげり(寺田記代)
宙を切る尾羽鋭し夏燕(今田昌克)
つつましき一人暮らしや合歓の花(今田舞子)
高畦の草の匂ひや朝曇(清岡早苗)
少年の息止め掴む糸蜻蛉(栗栖英子)
図書室を備へ新駅立葵(橋本信義)
知恵の輪のほどけぬままや明易き(溝西澄江)
星涼し友の形見のオルゴ⁻ル(山田美佐子)
八月や穏やかにあれ八十路坂(山本好子)
人生の喜びや悲しみを共有し、支え合う俳句の仲間がいることは有難い事と、
つくづく感じる今日この頃である。
山田美佐子記
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