大竹市は広島県南西部に位置し、化学工場と宮島を目前にする豊かな漁場の町。
瀬戸内工業地域の一拠点として発展してきました。
昨年開館した下瀬美術館は建築家坂茂が手掛け、「アートの中でアートを観る」を主題に、水に浮く展示やエ―ミルガレの庭などが訪日外国人や若い人達に人気を博しています。
城跡には林徹先生の句碑も建てられ、そんな環境の中で活動を続けて来たのが「雉」玖波句会なのです。発足は「雉」誌創刊以前の昭和50年頃ですから、全国でも最も長い活動歴を持った句会とも言えましょう。
「句会は楽しく俳句は厳しく」との田島主宰の教えを守り、和気あいあいと活動を続けており、最近は若い方2名も加わって、「平均年齢が下がったみたい」と一同喜んでいるところです。
定例日は毎月第4月曜日、12時から、玖波コミニュテイサロンを会場に開催しています。
令和6年5月27日開催した句会の結果は以下の通りです。
責任者、浜田千代美、参加9名、欠席投句者3名、欠席2名。
浜田特選、
洗い場にサラブレッドの汗拭ふ(史)。写りたる空の揺れゐるラムネ玉(岡田)。
赤子見に磨き上げたる靴白し(岡田)。
同人特選、
水野選、早苗田や水きらきらと風渡る(山田)。岡田選、白靴を持ちて砂ふむ波を踏む(小川)。山田選、蔵壁のしるき家紋や柿若葉(浜田)。田口選、新緑の車窓は海に変はりけり(瀬田)。小川選、夏燕慰霊の名簿かすめけり(史)。
4点句
拭き終へし句碑に写れる夏の雲(岡田)。白靴を持ちて砂ふむ波を踏む(小川)。
3点句
夏燕慰霊の名簿かすめけり(史)。川なりに上れば郷の植田なり(小川)。
人住まぬ軒をしのぎて今年竹(浜田)。
その他
明け易や時計確かめ眠りこむ(山田)。空いっぱい綿雲浮かび青嵐(福田)。
山深く僧の守る灯や夏ごろも(史)。姉兄で碁石並べる子供の日(神代)。
白人に席譲らるる薄暑かな(浜田)。新緑や終点までの無人駅(瀬田)。
川床へ蟹のこ白き爪振りぬ(田口)。海鳥の藻屑に遊ぶ夏の夕(田口)。
植込みの甘くかほるや夏の朝(史)。滴りの岩を伝へり磨崖仏(浜田)。
草むしりつけつぱなしのラジオかな(山田)。聖五月ジルバを踊る同い年(神代)。
鵜の大群競艇場を陣取りぬ(田口)。行列にひと際目立つ白き靴(清水)。
夏わらび言葉つなぎて草の中(水野)。病む足をひきずり歩く薄暑かな(山田)。
風光る走り行く子のランドセル(小川)。
走り梅雨のなか予定の2時間もあっという間に過ぎ、楽しい句会は閉会となりました。来月も、元気に参加出来ますように、「頑張りましょう」の合言葉を掛け
無事終了しました。
岡田栄子
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